修復する
奈良県立美術館で開催されている「特別展 奈良ゆかりの現代作家展 安藤榮作 -約束の船-」へ
入ると、天井まで届く大きな木のモニュメントが。なんだろう。

一巡して帰りにも出会う。「鳳凰」復活の象徴だったのか。
ぼこぼことした斧で打ち付けた木に触ったり抱っこしたりできる。楽器のような一弦を張った作品もある。


「頭上で空を受け止め喜んでいる人」目を閉じているように見えます。
インタビューを見る。東京の荒れた下町の中学からミッションスクールに進む。聖書から「自分で自分の魂を傷つけていくことがいちばん罪になるんだ。自分の身体、魂、命をこれからどう生かしていくかっていうときに、自分のエゴとか欲で暴走して傷つけていく、これは修復に一生かかるだろう」と気が付き彫刻の道に進むわけです。このあたりが何があったのかはわかりませんが、若い時自分を粗末に扱っているとその清算に人生かけることになってしまったりする。
安藤は行きついた福島のアトリエや家を3.11ですべて失う。その修復と再生に木を刻み叩き続けた。

「約束の船」筏に近づくと、すべて人形です。流れていくのです。思わず手を合わせる。
失われても再生し蘇る。静かなのに力のある作品群でした。

