波多野さんとフランス歌曲三昧(12/26)

贅沢なコンサートだったと思います。お客さまにもそのような感想を頂いたけれど、演奏する側にもそうだったな。ドビュッシーの〈抒情的散文〉をダルトン・ボールドウィンのレッスンを受けたときに「この曲を弾けることはピアニストとして幸せなことだよ」と言われたのですが、言われたときは真意がわからなかった。本番になると散りばめられたアイコン「聖杯」「英国の絵画」「鐘」などなどが次々と現れて空間に広がっていくのと、波多野さんの声の深い色合いが曲と親和性高いのです。もう一度ダルトンさんのおっしゃった意味を考えてみると、この曲をアンサンブルできるすばらしい歌手と、相応しい空間と、共有してくださるお客さまがいることがピアニストとして幸せなんだと思いました。

プーランクは楽しかったなあ。〈月並み〉は始まるとあっという間に終曲になっている瞬間勝負みたいな曲で、開始でしくじると取り戻せないのですが、波多野さんといっしょだとすごく面白かったです。詩が生き生きと飛んで行く感じ?ピアノソロ〈エディット・ピアフを讃えて〉から〈愛の小径〉への素敵なつながりは、波多野さんのアイデアです。アンコールは〈平和の祈り〉。

《住む》という雑誌に掲載された波多野さんと赤木明登さんの対談を演奏前に読んだことは、とても良かったです。うまく言語化できないですが、とにかく波多野さんの演奏は舞台だけでなく日々の過ごし方から思考から発する言葉から続いていることなんだと感じました。

解説は近藤秀樹先生、書ききれないことは対談としてならdeこんさーとのサイトに残りました

対談(近藤×辻)「波多野睦美 冬・パリへの旅」に寄せて《前編》

対談(近藤×辻)「波多野睦美 冬・パリへの旅」に寄せて《後編》

対談(近藤×辻)エピローグ「波多野睦美 冬・パリへの旅」 旅のあとに、旅の支度を

波多野さん、素晴らしい演奏をありがとうございました。

近藤先生、わかりやすく洒脱な!解説ありがとうございました。

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